EFMD EQUISについて MBA選びに不可欠な最難関国際認証

EFMD EQUIS
Naoto

こんにちは、リスキリング図書室のナオトです。

今回は、MBA取得を考えている方に向けて、ビジネススクールの質を保証する重要な国際認証「EFMD EQUIS」について詳しく解説していきます。

EQUISの必要性について、主にEFMDのWebサイト参考情報(https://www.efmdglobal.org/)や体験談をベースに解説していきます。

MBA取得を目指す際、プログラムの質を見極めることは非常に重要です。その際の重要な指標となるのが国際認証であり、中でもEFMD EQUISは世界で最も権威のある認証の1つとして知られています。本記事では、EFMD EQUISの特徴や重要性、そして日本国内の認証取得校について詳しく見ていきましょう。

MBAと国際認証の関係について知りたい方は、こちらの記事をぜひチェックしてください。

目次

EFMD EQUISとは

EFMD EQUIS(European Quality Improvement System)は、欧州経営開発財団(EFMD: European Foundation for Management Development)が提供する、ビジネススクールの質を保証する国際認証システムです。

国際認証とは、いわゆる格付けチェック的なものですね。

引用:https://www.efmdglobal.org/accreditations-assessments/business-schools/equis/

この機関にいる担当者が(ビジネススクール側から依頼を受けた場合に)ビジネススクールの詳細を調査し、一定の品質・レベルがあると確認できた場合にお墨付きを与えてくれるイメージですね。

しかしながら、この認証は単なる教育プログラムの評価にとどまらず、ビジネススクール全体の質を総合的に厳しい基準で評価しています。具体的には以下の要素が厳密に審査されています。

  • 教育プログラムの質と革新性
  • 研究活動の質と影響力
  • 企業との連携度
  • 国際化への取り組み
  • 倫理・持続可能性への配慮
  • 学生支援体制

国際認証を取得しないと決め込んでいる一部の日本のビジネススクールっぽい機関があります。革新性のための授業を開講することを不取得の理由に上げていましたが、EQUISでも革新性はトップレベルの水準が求められており、単に取得が厳しいだけではと推察します。

根拠として、EFMD EQUISは最も取得が困難な国際認証プログラムとして知られており、他の認証であるAACSB・AMBAと比較しても最も受賞しているビジネススクールが少ないです。ざっくり本記事執筆時点でEFMD・AMBAの認証数は300校未満程度であるのに対して、AACSBは1050校程度です。

重要なのは、EQUIS認証を取得しているということは、そのビジネススクールが継続的に自己改善を行い、国際的な基準を満たし続けているという証明になるという点です。3年または5年ごとの更新審査があり、常に高い水準を維持することが求められます。

これらの厳しい基準を維持できなかったビジネススクールは認証が更新できません。このあたりの説明は後ほど詳細をお話できればと思います。

似ているEFMD Accredited MBAとの違い

引用:https://www.efmdglobal.org/accreditations-assessments/business-schools/equis/

EFMD EQUISとEFMD Accredited MBAは、同じEFMDが提供する認証ですが、その対象と範囲が大きく異なります。

シンプルに言えば、プレゼンスが高いのはEQUISになります。よって、EFMDの他の認証が出てきた場合でもEQUIS以外は微妙といった感じで覚えておくとよいかと思います。

EFMD EQUISの特徴:

  • ビジネススクール全体を評価
  • より包括的で厳格な審査基準
  • 国際的な評価が高い
  • 継続的な質の維持が必要
  • 世界トップクラスの経営大学院が取得

EFMD Accredited MBAの特徴:

  • 個別のMBAプログラムのみを評価
  • プログラム特有の要素に焦点
  • 比較的取得しやすい
  • プログラム単位の認証
  • 新興の経営大学院でも取得可能

EFMD EQUISの特色 AMBA・AACSBとの違い

経営教育の分野では「トリプルクラウン」と呼ばれる3つの主要な国際認証があります。:EQUIS、AACSB、AMBA

それぞれに特徴があり、EQUISは以下の点で他と異なります。

EQUIS(欧州基準)の特徴:

  • 国際化への強い emphasis
  • 企業との連携重視
  • 研究と実務のバランス
  • 持続可能性への注目
  • 欧州的な価値観

個人的なEQUISへのイメージは、やはり認証数が最も少ないことから最難関であることは確実と考えています。

AACSB(米国基準)との違い:

  • より国際的な視点
  • 実務との連携重視
  • 柔軟な評価基準
  • 革新性の重視

AACSBは認証校数が1000件を超えており、一際目立って大世帯になっています。どちらかと言うと大学そのもののプレゼンスを非常に重視しており、各国のハイレベル大学であれば取得できるイメージがあります。

AMBA(英国基準)との違い:

  • スクール全体を評価
  • より包括的な基準
  • 継続的改善の重視
  • 国際化の重要視
  • 認証は300校まで

AMBAへの印象ですが、EQUISと同じくらい厳しい認証ではありますが、地方にある謎のビジネススクールに認証をサクッと出すこともするタイプの認証機関です。

Naoto

他の学生や指導教員に聞いたところ、AMBAではよりアカデミックな要素を重視しているのでそういうことが起こるのではということでした。

EFMD EQUIS 日本国内の現状は?

認証取得校取得年度ステータス
早稲田大学大学院 経営管理研究科 (WBS)2019年2025年または2027年(2022年に更新)
慶應義塾大学大学院 ビジネススクール(KBS)2012年2015年または2017年に失効
名古屋商科大学大学院 ビジネススクール(NUCB)2021年2024年まで有効
京都大学大学院 経営管理大学院2023年2026年まで有効
認証対象校

現在の認証状況は上記です。

慶應義塾大学のKBSは名門で知られていますが、EQUISの更新が直近できていないことでプレゼンスとしては早稲田大学大学院が一枚上手です。AACSBはあるため引き続き名門ではあるものの、今後EQUISを取得すると早稲田大学大学院に並べるでしょう。

京都大学もEQUISを取得してきています。コーネル大学との共同プログラムが過去にあったりと非常に面白そうなビジネススクールなのが京大です。ビジネススクールとしての認知はまだまだ浅い印象がありますが、実力がある大学は認証されるのが早いですね。ビジネススクールの序列は普通の大学ランキングとは全く別物ですが、もともと学部単位では東大に次ぐ大学ですので、今後の勢いに期待です。

以上です。国際認証はMBA間の競争を激化させ、教育の質を世界的に高めていく有意義なシステムであり、今後とも動向には注力していきましょう。

Naoto

慶応大でも認証を落とすとは、その厳しさが伺えます。
その分、EQUISは信頼に足る厳しい審査を行っていると言えるでしょう。ぜひMBA選びには優先的に国際認証を参考にしてください。

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監修者

リスキリング図書室 オーナー スズキナオトのアバター リスキリング図書室 オーナー スズキナオト リスキリング図書室 オーナー

早稲田大学大学院 経営管理研究科修了(MBA)
学生時代に複数資格を取得し大手通信会社へ就職、その後大手IT企業に転職。
学び続けることの重要性や社会人大学院の体験談を綴る。

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