今回は私の早稲田大学大学院(MBA)での経験を元に、退学した・または退学に近い(修業年限超過・除籍等)状態になっていた方に当てはまっていた代表的な特徴を説明したいと思います。
社会人大学院を志すみなさんがこのパターンに当てはまることは基本的になく、心配はいらないと思います。ほとんどの学生はしっかり勉強したうえで修了するため、あくまでもご参考までにお読みください。
前提:社会人大学院について、中退・退学の不安はほぼない
社会人大学院(特にMBA)、特に私立大学では300~400万円、慶應義塾大学のEMBAであれば700万円ほどの学費がかかってきます。
また、平日は多い場合は週5日で7時から10時、土曜日はほぼ終日授業を埋めることになります。よって大学院に通学する期間はかなり多くの時間と金銭を投じざるを得なくなり、負荷がかかることになります。
とはいえ、バイタリティ的な面で退学を選択する方は私は見たことがなく、他の方に聞いても同じだったため、一般的に心配されがちなハードスケジュールや体力が要因で退学となることは考えにくいです。
また、仕事が仮に忙しくなったとしても課題の提出はしっかりやる、出席が必須の授業に出るなど、私の周囲はどなたもなんとか時間を作って調整していました。
さらに、年度末としてありがちな3月は大学院が休みです。そのため多くの方が忙しくなりやすい3月は授業がありませんので、案外余裕があるくらいです。
やはり、多くの金銭と時間を投じている以上、損失を恐れるだけではなく皆さんがやる気に溢れており積極性が強いです。
なんとか卒業しよう!と考えている人がいる一方、逆にこれらの金銭や時間を気にせずに退学する方もごく僅かにいらっしゃいます。ではその傾向を見ていければと思います。
画像:大学院の帰りで夜0時ごろの東京駅。コロナ禍だったため人がほぼおらず、今では考えられない光景です(笑)
退学(中退)しやすい人の特徴3選
中堅企業社長などの息子・娘が企業派遣で来たケース
1つ目はこれです。まず、企業派遣そのものの退学率が高いということではないため、その点から説明します。
一般的に企業派遣で大学院に来るケースはかなり多いのですが、(特に業務上の都合で1年制コースに多いです)多くは自薦です。
企業派遣かつ自薦になるケースとして、企業が募集しているプログラムに一定のやる気を持って応募し、職場の理解を得ながらも高いモチベーションで学習に来ている方が挙げられます。
企業がお金を払ってくれている、自分でやる気を持って応募したという点もあり簡単に退学することはまずないため、一般的な企業派遣の方は優秀な成績で卒業する傾向があります。
しかし、企業派遣でも一部他薦となる場合があります。それは中堅企業付近の企業で、親(社長・会長等)から推薦を受けて大学院に入学する息子・娘さんです。
「名前は聞いたことがあるかもしれないけど、大手ではない」くらいの会社が該当します。
下記のWebサイトにも記載のように「事業承継者入試」といった、失礼ながらいかにもぬるくてほどんど合格しそうな試験があります。実態としてはこちらの入試で入ってきています。
彼らは企業派遣ではありつつも親の推薦・親の金に近い部分があり、モチベーションが低い状態で大学院に入学させられているようなパターンがあります。
早稲田大学大学院の競争倍率は5倍を超える年もあるにもかかわらず、なぜそのような学生がいるのかというと、ここだけの話ですが企業派遣はほとんど不合格にならないからです。
彼らはユニークで面白い方が多いですが、概してモチベーションが低く、単位をよく落としそうになっているのを私も見たことが複数回あります。
育った環境が比較的厳しくなく、金銭的に裕福な家庭ということもあるのかもしれません。明らかに日本の一般的な社会人とは雰囲気が異なります。
社会人大学院(MBA)はある程度厳しい環境ではあるため、やる気を持って取り組むのができない限り退学を選択することが多くなるのは仕方ないと思います。
しかし、中堅企業の息子・娘として甘やかされてきた分、大学院という厳しい環境で一定矯正のチャンスが存在しているのはいいことですね。
トップコミュニティマネージャー
2つめはコミュニティマネージャー型の人物です。かなり留年する傾向が強いのでここで上げておこうと思いました。
社会人大学院(MBA)の取り組み方において、一部の方はネットワーキングを重視しています。
具体的には社会人同士のつながりを求めており、転職やキャリアアップなどのチャンスや飲み仲間やゴルフ等遊びの機会など、様々な目的のコミュニティが公式・非公式に存在しています。
中には恋愛する方もおられます。恋愛事情について気になる方はこちらをご覧ください。
時々、というよりも極稀にいらっしゃるのが、なるべく多くのコミュニティに顔を出している、いわゆる「どこに行ってもいる人」です。
具体的な特徴としては、Facebookの投稿頻度が非常に高く、あらゆるゼミに顔を出してみたりなど、教員の間でも顔が広くなってしまっているような方です。
大学院に来た目的がネットワーキングに一極化しているような方の場合、どうしても勉学や研究が疎かになっているパターンも多いです。
彼らの場合コミュニティにいるのが楽しくなってしまい、あえて留年しているかのようにすら見えることも多いです。
私はタイムパフォーマンスを重視して最短期間で修了したかったので、飲みの場なども多くは参加していませんが、逆にそれらをコンプリートしにいく指向があります。
私とは間逆すぎる感性をもっておられる方で、いまいち私は思考が理解しきれない部分があります…
急な海外転勤
海外転勤の辞令が修業年限以上に続き、通学ができずに退学となる方もたまにいらっしゃいます。
早稲田大学大学院はわざわざ大学院に行かなくてもいいようなエリートが多いのですが、そのような方は仕事で実績を出し、昇進して海外に行ってしまうパターンがあります。
国内で大学院を修了するか、海外に行くかで迷った際、よりチャンスが大きい海外を選んでしまうのではないかと思います。
大学院に行く目的がキャリアアップである以上、それが達成されてしまった場合にバッサリと切り捨ててしまうようなイメージではないかと思いますが、聞く限りではこのような層も毎年一定数いると思われます。
その他個別事例
私が把握している例でいくと、指導教員がゼミ生全員の論文の校了を出し渋っているパターンが過去あり、トラブルになったという話を聞いています。
問題が生じた場合は教授会か研究科に相談することで防げるかと思いますので、異変を感じた場合はすぐに申し出を行いましょう。
その他大学教員側に問題があるパターンも認識していますので、詳しくは修了生が2年生などある程度在学経験のある方に聞いてみてください。
もちろん早稲田大学大学院に興味がある方は私にコンタクト頂く形でもOKです。教員の情報なども含め修了生として一通りは知っていると思いますので、お気軽にご連絡ください。
まとめ
以上です。殆どの方が当てはまらないと思うので、特に心配はいらないと思っていただければ幸いです。体力的には退学する方は見たことがないので、老若男女問わず腰を据えて学習できる環境だと思います。
ただし、指導教員等外部要因によって修了が厳しくなるパターンも聞き及んでいるため、大学側の問題である場合はなるべく早めに研究科に申し出を行うなどしましょう。
教授会と事務局は別の組織なので、公正な対応を行っていただけます。それではここまでお読みいただきありがとうございました。